シェアハウスについて思うこと

ほぼ毎日言っていることがあります。

「学生ってシェアハウス住みたがりませんよ。全体の5%くらいですよ。統計上も経験上も」

なぜ私がこういうことを言うのか?
それは、シェアハウスの話を聞きたいと言って私を訪れる方の大半が「シェアハウスのメインターゲットは学生である」
という前程でいらっしゃるからです。
だから私は、その前程を崩さないと自分の仕事が説明できないため、まず最初に上記のように言うわけです。

とはいえ、かく言う私自身も実際にシェアハウスに住んでみて、学生はほとんど居なかった事実を目の当たりにしても、
それは偶然だと言い聞かせ、その誤解に囚われ続けた一人でした。
その後も自身で経営し、そして、1年以上が経過した状況を見て、
その上でついに上記のことを確信とともに言えるようになった気がします。

では、誰が住むのか?
それは、95%社会人です。

なぜか?

私は、その説明として以下のように言います。
「社会人になって忙しく、25歳過ぎた頃から、ほぼ飲むのは同僚や取引先、あとは合コンくらいしかなくなる。
 30歳になる頃には、そんな関係も減り、ついには合コンの男メンバーを探すのが大変になってくる。
 25歳以降、(男)友達が減ることはあっても増えることはほぼない。
 そんな中、シェアハウス生活は、色々な年齢、職業、国籍のシェアメイトと巡り会うことができるため、
 まるで砂漠のオアシスに感じられる。 
 更に一人暮らしもかれこれ10年以上になっており、もう、その良さも十分に味わったし、もう飽きた」

この話は誰もが思い当たるふしがあるようで、(世代問わず)ほとんどの人が理解してくれます。

シェアハウスの根源的ニーズはこういうところにあるのであれば、
今の状況は決して一過性ブームではないと感じます。
むしろ寮や下宿など、
かつて一般的だったものがカタカナ言葉となって復権したと見た方が良さそうです。

ネットの発達によりバーチャルなコミュ二ティが肥大化すればするほど、
リアルな関係性の価値が高まっていることは、議論の余地はありません。

シェアハウスは、それを体現するもっとも象徴的な事象なのだと思います。